Akito's diary books.

There is only one success - to be able to spend your life in your own way.(by,Christopher Morley/1890~1957)

氏ムシメさんの命日 没後10年

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今日は故・氏ムシメさんの命日。

10年前の今日、東京都の世田谷区にある多摩川の河川敷で、自身の母親と共に硫化水素自殺。

 

享年22歳。

 

いくら亡くなった後になってからその存在を知ったとは言え、僕にとっては特別な思い入れがある事もあって特別な存在である為に、このブログ上で何度も言及してきたムシメさん。

 

そんな彼が自身の母親と共に自ら命を絶ち、わずか23年弱というあまりにも短い生涯を自ら閉じた2011年1月4日

 

今日、あの日から10年という大きな節目を迎えた事を踏まえると、やはりムシメさんは今となっては余程過去の人であるという事実を改めて実感してしまうのは言うまでもない。

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ムシメさんが母親と共に自ら命を絶つ直前に、その場にて携帯電話で書いて投稿したブログ最後の記事、「灯火」

多摩川の夜景を撮影した一枚の写真と、「街の灯り見てると切ない」という、たった一行の文章だけでしか構成されていない簡素な記事であるとは言え、あれから10年が経った今になって改めて読んでも、その時のムシメさんの気持ちや場面が生々しく伝わる。

 

「自分はもうここまで来てしまったから、もう後戻りは出来ない。けれども、仮にここで引き返したとしても、自分にはもうこれ以上先も希望もない」

と言ったような、人生に対する終末感や、生きる事に対する微かな未練が混ざった、死の直前の心情が、この僕にとってはしみしみと伝わってくるのが分かるのだ。

tsukimi3190logs.hatenablog.com

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一昨年8月に投稿したまとめ記事と、昨年の命日に投稿した前回の追悼記事の二度手間になってしまうかもしれないが、今回この記事を読んで初めてムシメさんの存在を知る人の為にも、やはりムシメさんの事をどうしても伝えたいという気持ちが心底にあるからこそ、今回も前回の追悼記事と同じくムシメさんに関するまとめを最初に書き述べるとしたい。

 

氏ムシメさんについて

 

人物像

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氏ムシメ(読み:うじ ムシメ)さんとは、今か10年以上前の2009年前後に、ネット上でブロガー、Web漫画家、イラストレーター、ネットラジオ配信者などとしても幅広く活動していた男性ワーキングプアである。

多彩かつ多趣味な上に、聡明で努力家だった氏は、子供の頃から抱いている「プロ漫画家になりたい」という夢を叶える為にも、日々アルバイトで働いて稼ぎながら、ネット上・現実上で様々な人達と交流しながらも、目標へと向かって一歩一歩ひたむきに創作活動や勉強を積み重ねて、日々前向きに前進していた。

 

頭の回転の速さだけではなく、高い行動力と向上心も持ち合わせていた氏は、他にも漫画大賞に自身の作品を何度も応募したり、新しい分野を切り開く為にも自ら色々な事にチャレンジしたりなど、挑戦者としての一面も見せていた。

 

 

 

 

 

 

しかしその背景には、心に抱えている多くの闇や苦しみの存在があった。

 

逼迫した日常生活と、子供の頃から抱いてきた「闇」

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子供の頃から母親が精神病に苦しんでいる事と、父親の仕事が常に不安定な事や、自分もそんな父親と同じようにバイトでの仕事が上手く行かない上に、その職場で日々いじめられていて辛い事。

 

自身が家族と共に住んでいるマンションがヒューザー製の耐震偽装物件である事と、それが高校生だった2005年当時に判明した時に作ってしまった多額の借金を背負っている事で、家庭の経済がかなり逼迫している為に、毎日の生活がとても息苦しい事。

 

この国の過酷な格差社会に絶望している事と、生きづらさを抱いている事。

 

子供の頃から、周りに比べて何もかも負けてばかりいる上に、人間的にも社会的にも弱い事などにもよる人一倍強い劣等感や、貧困と幾多ものいじめや挫折などを経験してきた自身の過去の壮絶な暗い生い立ちのトラウマなどと言った、計り知れない程の心の闇を抱えている事と、それに毎日苦しみ喘いでいる事。

 

自分の事が殺したい程とにかく憎くて大嫌いでたまらない事。

 

そして、以上の理由で人生と将来を悲観していて明るい未来を描けない事や自殺願望を持っている事。

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住んでいる欠陥マンションの借金の返済、そしていつか来るかもしれない立ち退きのプレッシャー、経済的に余裕などない逼迫した生活、そして重い精神病を患っている母親の存在。

 

家族とともに切羽詰まった日常生活を送っていたムシメさんであったが、それでも氏は、自身がどんな苦境にあろうと、人生を楽しもう、成功させよう、自分を変えようという気持ちを決して捨てようとはせず、諦めようともしなかった。

プロ漫画家になりたいという自分の夢を叶える為だけではなく、自身の家族と家庭を貧困から救う為にも。

 

多趣味多彩なWeb漫画家としての活動

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2009年4月には、代々木アニメーション学院に入学。

そこでは漫画やイラストの授業を通して自身の技術力や画力を向上させていっただけではなく、自身と同じく漫画やアニメが好きな仲間達と共に、充実した明るい学生生活を謳歌した。

こうした学校生活は、普段の逼迫した日常生活や辛いアルバイトで落ち込んだ心を癒す、処方箋と言った存在でもあったに違いないだろう。

 

この時から、ネットラジオ活動は次第に少なくなって行った後に、ついには行わなくなってしまったが、その反面、漫画やイラストの創作活動は活発化した。

しかも、自身が描いた漫画・イラスト作品は、漫画投稿サイトや自身のブログ上で公開するようにもなった。

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時が流れて学校生活2年目の秋、同じ学部の生徒と共に二人揃ってベテランの著名男性漫画家のアシスタントに採用された事で、ついに念願のプロ漫画家業界に足を踏み入れる事となった。

 

そうして大きな喜びに包まれたムシメさんは、期待を胸に膨らませて、プロ漫画家になるという長年抱き続けてきた夢へと向かって前進していった。

 

 

 

 

 

…しかし、そこで自身を待ち受けていたのは、夢と希望に満ち溢れたユートピアではなく、地獄のような現実と世界だった。

 

待ち受けていた現実

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アシスタント先の職場では、労働基準法など完全に無視した最低賃金未満の異常な長時間労働で酷使された上に慣れない住み込みまでさせられ、更には担当の漫画家や先輩アシスタント達からの陰湿ないじめやパワハラに苦しめられて心身共にボロボロにされ、ついには漫画に対する憧れや夢を破壊されてしまった。

 

しかも当時は、母親の精神病がどうにもならない事と、父親の再就職が年齢上の理由もあって困難になってしまった事や、代アニの学費やマンションの借金を返しきれない事などにもよって、家庭の生活や経済までもがどうにもならない事にも追い詰められていた。

 

そうしてムシメさんは、うつ病と思われる精神疾患を発症して身体までにも異常をきたすようになった事で、ついに自分自身までもが母親と同様の身になってしまった。

 

 

繊細過ぎたムシメさんは、社会や業界でうまくやっていけず、家族と家庭を貧困から救う事もできず、自分自身を変える事もできなかった自分を徹底して責めて人間失格と決めつけてしまい、同時に肥大化し過ぎた心の闇や苦しみに押し潰されてしまい、自身の母親と共に自ら死を選んでしまった。

 

描き続けたテーマ

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いじめや貧困・格差をはじめとした世の中と社会の不条理。

人間の醜さ・厭らしさ・狡さ・残酷さ。

そして自分自身のような弱者が抱える闇や苦しみ。

 

そうした社会の負の側面を、ムシメさんは漫画の中で一貫して描き続けた。

 

それらの中で最も代表的な作品は、ブログにも連載していた四コマ漫画集、ワープア漫画道』で、エッセイとしての面も見せていたこの作品は、自身の貧困生活や日常などを、自虐やフィクションを交えて描いていた。

 

そのホラー調のおぞましい雰囲気の絵柄は、まさに現実社会の汚さや醜さを強調しているかのようで、氏が普段のアルバイトで経験した理不尽な出来事やその日その時の辛い心境を元にしたエピソードが多い。

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また、ムシメさんは全作品一貫して、主にバイト先の中高年の上司や同僚らをはじめとした中高年者達の姿を、まるで怪物のように徹底して醜く恐ろしく描いていた。

バイト先の中高年の上司や同僚らをはじめとしたあらゆる中高年者達を嫌い・恐れていたのはともかく、この不公平で偏った日本社会の主軸を成している中高年者達に不信感を抱いていて、それも中高年者達に対する嫌悪と憎悪にも繋がっていたのかもしれないと僕は考察している。

 

ムシメさんがこの世を去ってから10年、彼が3年以上に渡って毎日書いて来たブログや、彼が描いてきた多くの漫画やイラストが、死後10年経った今日もこのインターネット上に遺され続けている。

彼がかつてこの世に存在していた証と生きていた証は、まだ消えてはいないのだ。僕はそう捉えている。

 

今日までの10年間を振り返る

次は、ムシメさんが亡くなってから10年という事で、今日までの10年間(2011年~2020年)を簡単に振り返るとしたい。

実はこれこそが、今回の追悼記事のメインテーマでもある。

 

この10年、国内外では小さな出来事だけではなく、歴史を変えてしまった程の多くの出来事があったのは言うまでもないだろう。

2011年

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出典:NHK

 

ムシメさんが亡くなってから2ヶ月後の2011年3月11日、東北地方の沖で震度9にも及ぶ大地震が発生。東北地方太平洋沖地震(及び東日本大震災である。

人類史上過去最大級規模の当地震は、日本史上かつてない非常に大きな被害を及ぼし、二次災害として福島第一原子力発電所の事故を引き起こした。

 

その影響が、あれから10年が経とうとしている今日も残り続けているのは言うまでもない。

 

一方で、海外ではアラブ諸国で大規模な反政府運動アラブの春)が起き、エジプトではムバラク政権、リビアではカダフィ政権、チュニジアではザイン政権と言った、数十年間にも及んだ独裁政権に終止符が打たれた。

 

日本の文化面・社会面では、女性アイドルグループのAKB48が社会化現象を引き起こす程の大ブームを引き起こした。

今まで存在していた他の女子アイドルグループには無かった大胆な経済的戦略のみならず、今も在籍している柏木由紀峯岸みなみ、そして既に卒業した大島優子前田敦子板野友美篠田麻里子渡辺麻友(昨年芸能界引退)らと言った、魅力溢れる個性豊かなメンバー達による構成も、おそらく大ヒットしたきっかけでもあるだろう。

 

そしてこの年には、現在大ブレイク中の姉妹グループ乃木坂46が誕生。系譜は今も継がれ続けている。

 

2012年

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出典:首相官邸

 

12月に行われた第46回衆議院総選挙で自民党が勝利し、3年間続いた旧・民主党政権が終了。

同時に、安倍晋三が5年ぶりに再び内閣総理大臣に就いた事で、第二次安倍政権がスタート。当政権はここから昨年までの7年以上も続く超長期政権となった事は、まさに予想外の出来事であるかもしれない。

 

一方で、文化面・社会面ではApple社がiPhone 5をリリースし、国内外でベストセラーを引き起こした。これによって、スマートフォンは世界的に幅広く浸透し、情報社会は大きく変化する事となった。

 

2013年

年の始め頃には、日本人技術者までもが犠牲となったアルジェリア人質事件や、ロシアのチェリャビンスク州での隕石落下事件と言った暗い出来事が世の中を震撼させたのは言うまでもないだろう。

その一方で、東日本大震災の被災地の復興は進んで行った。

 

日本の文化面・社会面は、連続テレビ小説あまちゃんが大ヒットし、社会化現象を引き起こした。

能年玲奈(現:のん)演じる内気な少女 天野アキが、海女やローカルアイドル活動などを通して成長していく姿を描いたこのドラマは、宮藤官九郎による斬新な演出や、個性豊かな登場人物達がハイテンションなエピソードを織りなしており、岩手県にある海沿いの街を舞台にしている事や東日本大震災のエピソードも描いている事で、東北地方の被災地復興の思いまでもが込められている。

 

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©諫山創講談社/「進撃の巨人」製作委員会

 

それと並んで、同じ期間にテレビアニメとして放送された、漫画進撃の巨人までもが大ヒットし、こちらも社会化現象を引き起こした。

「巨人」という人知や自然を超えた存在と、終末感溢れる絶望的な世界観、あまりにも難解な内容、人間性を非常にリアルに描かれたキャラクター達、そして人類を救う為に、巨人の脅威に対して果敢に立ち向かう主人公エレン・イェーガーとその仲間達。

当作品は日本国内のみならず、海外でも大ヒットを引き起こした。

 

そして連載から10年が経った今では、漫画は最終章へと突入しており、並びに先月からテレビアニメの最終シーズンが放送されている。

 

2014年

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出典:netgeek

 

個人的にこの年は、これまでの10年間の中では、この国の文化面・社会面・IT分野面において最も革命的な年であったと思う。

YouTubeでは、HIKAKIN、SEIKIN、はじめしゃちょー、マックスむらい、ワタナベマホト、マスオらをはじめとしたYouTuberが台頭し、YouTuberブームを引き起こした。

ゲームは国内外共に、スウェーデンのゲーム会社Mojang Studiosがリリースしているサンドボックスゲーム、Minecraftが大ブーム。

しかも、国内では他にも、レベルファイブ社が前年にリリースしたゲーム妖怪ウォッチがブームを起こし、テレビアニメが放送された。

アニメは他にも、ディズニーが制作した長編アニメ映画アナと雪の女王が国内で大ヒット。

 

また、Apple社がこの年にリリースしたiPhone 6は、形状、仕様などにおいても、現在リリースされている機種を含む、後のiPhoneシリーズの礎にもなった。

 

 

その一方で、海外では春の時期に、インド洋でのマレーシア航空370便の消息、韓国の大型客船「セウォル号」の沈没と言った、交通機関の大規模な事故が相次いだ。

 

2015年

年始間もなく、シリアを中心とした中東地域でイスラム過激派組織ISIL(通称:イスラム国)が猛威を振るい、全世界を震撼させた。(その上、日本人の人質を殺害する事件までもが起きた)

この影響によって、主に欧米諸国では、中東からの難民が殺到するようになった。

 

しかも国内では、3人の不良少年グループが夜の多摩川河川敷で、彼らからの付き合いから逃げようとした中学一年生の少年の首をカッターナイフで斬り付けて殺すという残忍極まりない事件(川崎市中一男子生徒殺害事件)が起きた。

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出典:HUFFPOST

 

他にも、ギリシャ金融危機や、オバマ政権によるアメリカとキューバの国交回復などと言った、国際社会上の大きな出来事があったが、国内ではラグビーの日本チームがW杯で歴史的勝利をするなどの明るい話題があった事も忘れてはならない。

 

2016年

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©新海誠 / 「君の名は。」製作委員会

 

日本を代表するアニメーターの一人、新海誠監督が製作し、8月に国内で公開された長編アニメ映画、君の名は。は国内外で大ヒット。

平成に大ヒットしたサブカルチャーのジャンルでもある、日常と非日常が交差するセカイ系を下地とした当作品は、新海誠が手がける独特の緻密な美しい風景が、世界観をより美しく彩っている上に、互いが入れ替わりを繰り返す男女別の主人公の心理描写が非常にリアルに描かれているのも大きな特徴だ。

それだけではなく、RADWIMPSが手がけた主題歌前前前世も作品が大ヒットした大きな要因である事も忘れてはならない。

また、主題歌も作品が大ヒットした要因である事は、先述した「アナと雪の女王」も同じであろう。

 

文化面・社会面では他にも、リオデジャネイロオリンピック日本選手団がメダルを過去最多数獲得するという輝かしい功績を残した。

 

2017年

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出典:responce

 

1月、不動産王としても名を馳せていたドナルド・トランプアメリカの第45代大統領として就任。

これに伴い、8年間という超長期に渡って続いたオバマ政権は終了。

トランプ氏は自国第一主義を掲げてアメリカの再興を約束し、任期中は大胆な政策を次々と行なっていった。

 

海外では他にも、北朝鮮の現最高指導者である金正恩の異母兄、金正男がマレーシアで暗殺された事件や、ロンドンで起きたイスラム過激派によるテロ事件などの出来事があった。

 

その一方で、国内では九州北部で豪雨による水害や、座間市で一人の男性が狡猾な手口を使って誘い込んだ、自殺願望を持つ8人の若い女性と1人の若い男性がアパート内で殺されるという残忍・卑劣極まりない事件(座間市9人殺害事件)などの出来事があった。

 

2018年

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出典:ウェザーニュース

 

国内では広島県岡山県愛媛県などの西日本地域で起きた豪雨による大水害、大阪北部で起きた震度6の大地震、台風21号、そして北海道の胆振東部で起きた震度7の大地震とそれに伴う全道を襲った大規模停電(ブラックアウト)と言った、大規模な災害が連発。

 

そして、これは一昨年投稿したムシメさんのまとめ記事で既に言及しているが、この国で働く外国人技能実習生達に対する各企業の労働基準など完全に無視した待遇の悪さが国内外でも社会問題となった。

ムシメさんが晩年アシスタント業で経験した悲劇は、日本人のみならず、外国人に対してまで繰り返されているのだ。

 

2019年

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出典:日本経済新聞

 

明仁 現:上皇陛下から徳仁 現:天皇陛下への皇位継承が行われた事で、31年間に渡って続いた平成の時代が終わり、5月1日からついに新しい年号「令和」の時代が始まった。

令和元年となったこの年は、社会面・文化面では新時代の幕開けによる祝賀ムードに包まれ、タピオカドリンクが若者達の間でブーム。

また、当時官房長官だった菅義偉 現:内閣総理大臣は、新年号を発表した事から「令和おじさん」の名で親しまれるようになった。

 

そして、国内ではラグビーワールドカップ2019が開催。

NHK大河ドラマは、先述した「あまちゃん」の宮藤官九郎が手掛けた、1964年の東京オリンピックを題材としたいだてん〜東京オリムピック噺〜が放送され、世間は翌年開催予定となっていた2020年東京オリンピックへと向かって前向きに前進する明るいムードにも包まれていた。

 

 

 

 

 

…しかし、新時代幕開けの祝賀とオリンピック開催を楽しみに待つ世間の明るいムードは、翌年完全に打ち砕かれる事となってしまった。

 

2020年

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出典:Wikipedia

 

2019年末、中国の内陸部にある大都市、武漢市で新型のウイルスによる肺炎が発生。

 

ウイルスは1月末、春節で多くの中国人がバカンス旅行として海外各地へと渡航した事により、瞬く間に世界各地に感染が拡大する事となった。

このウイルスは、後に新型コロナウイルス(COVID-19)と名付けられ、かつてない程の強い感染力を有しながらも強い症状を引き起こすこのウイルスの脅威は、全世界の経済・社会活動までにも大ダメージを与えた。

 

感染拡大を抑える為の厳しい自粛による、都市や地域のロックダウン、経済活動の著しい規制、人と人との間の距離の規制。

特に、飲食店業界や観光業界などは、この影響によって著しく衰退化し、多くの企業の倒産や社員のリストラが相次いだ。

国内ではそれだけではなく、自殺者が急増。そして、夏に開催される予定だった東京オリンピックをはじめとした各種イベントは中止となった。

 

アメリカやイギリスではワクチンの開発や臨床実験が秋から大幅に進んでいるが、この現状の収束は未だに見えず、武漢市での発生から丁度一年が経った今でも先は不透明の状況にある。

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©吾峠呼世晴集英社アニプレックスufotable

 

そんな中、国内外では漫画鬼滅の刃が国内外で空前の大ヒットを引き起こした。

当作品は前年の4月から9月にかけてテレビアニメ化され、それから6年前の進撃の巨人ブームを遥かに越える程の、かつてない大きなブームがコロナ禍の真っ只中にある暗い世間を盛り上げたのだった。

当作品は、古来より人間を殺し食らう怪物「鬼」とその脅威が蔓延る架空の日本の大正時代が舞台であり、主人公である竈門炭治郎が鬼と化した妹の禰󠄀豆子を人間に戻して助ける方法を探す為、そして人々を鬼から守る為に戦う姿を描いた和風ダークファンタジー漫画であり、王道的な少年漫画のプロットとシンプルなエピソード、そして個性豊かな数多くの登場人物達による魅力溢れる内容が、大人達のみならず、子供達にも大受けした。

 

また、どんな辛い境遇にあっても、そしてどんな辛い運命に巻き込まれても、ひたすら前だけを向き、前進しながら戦い抜く、努力家で真面目な上に心優しい炭治郎の姿は、この僕も含めた多くの人達を感銘させた事だろう。

 

去年はテレビアニメの続編である「無限列車編」が、劇場版として公開。その興行収入額は、国内においてはスタジオジブリの長編アニメ映画「千と千尋の神隠し」を追い抜き、過去最高額を新記録。

漫画の連載は昨年に終了し既に完結してしまったが、ブームとその勢いは未だに続いており、またアニメ自体が未完である事から、今後も新たなメディア展開が行われていくだろう。

 

これからの10年に向けて

今後どのような時代となるか

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出典:日本経済新聞

 

コロナ禍が未だに続いており、先の見えない状況にある今日。

僕としては、今がこのような状況であるからこそ、日々の感染拡大防止の為の心掛けはともかく、今後の10年をどのような時代にするかについて考える事も、何より大事な事であると思う。

 

このコロナ禍では特に、当たり前の日常の大切さのみならず、今の社会に欠けている物に気付いた人は決して少なくはないだろう。

けれどもそう言った事こそが、これからの時代を変えていくきっかけやヒントにもなると僕は思う。

確かに今日の日本は、根本的な部分(政治など)がムシメさんが生きていた10年前以前の時代からほとんど変わってはいないが、彼が生きていた時代と比べて、確かに変わった部分はある。特にそれが顕著なのは、昨年の追悼記事で述べた既に述べた通り、やはり情報社会だろう。

 

ここ10年間、特に情報社会は他のどの分野よりも大きく進歩・進化した事は、やはり確かな事だ。

進歩・進化した情報社会は、世の中に対する生きづらや不満などを簡単に幅広く共有できるようになって、それが理解できるようにしただけではなく、今日のコロナ禍では最も大活躍したと僕は思う。

特に、zoomやスカイプを利用したオンラインのミーティングや授業・講義(それでも不便な点はあるが)、そしてウイルスや感染状況に関する最新情報の発信や共有など、調べてみるだけでもキリがない。

 

そしてそこからは、今後もしまた同じような事が起きたらどう対処するか、そしてどのように乗り越えるかというヒントも出やすくなっているだろう。

医療技術のみならず、情報社会も大きく進歩した今の時代だからこそ、それが今後の時代の礎にもなる事は確かな物であると思いたい。

 

山積みの課題

 

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出典:nippon.com

 

この国は今日、新型コロナウイルス以外にも多くの課題を抱えているのは言うまでもない。

国が抱える多額な借金、まだ終わってはいない東日本大震災の被災地の復興や福島第一原子力発電所跡の対処、止まらない少子高齢化、介護と年金、そして地震大国だからこそ、またいつか起きるかもしれない大震災の脅威(南海トラフ巨大地震など)。

 

その為、仮に今年の半ばにコロナ禍が終息したとしても、先行きはまだ不透明で安心はできないだろう。

特に、人口減はコロナ禍の影響による大不況で加速しており、特に若い世代の人口減はあまりにも深刻なレベルにある。

それどころか、コロナ禍の影響で生前のムシメさんと彼の家族と同じような境遇にある人達が急増している事や、それによって追い詰められた末にムシメさんと彼の母親と同じように自ら命を絶っている人達が増えている事も忘れてはならない。

 

もし、ムシメさんがこのような今日の日本社会を目にしたら、一体何を思い、そして何と言う事だろうか?

 

また、同じ島国という環境であるからこそ、金の事ばかりしか考えていない政府が中国人観光客による経済収入なんかに目など呉れずに、台湾やニュージーランドと同じように春節の直前に速やかに賢く対処(入国禁止など)していれば、ウイルスの感染拡大を封じ込める事ができただろうに。

もしそれが行えていれば、今日は違った一日になっていたはずだろう。

 

ムシメさんが亡くなってから10年。あれから10年が経った今日、この国の根本的な部分はやはりほとんど変わっていないのが事実だ。

 

最後に

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今回はムシメさんの没後10年という事で、氏が亡くなってから今日までの10年間の振り返りなども書き述べたが、僕はこれからの10年間もやはりムシメさんの存在を忘れないでいたいと思う。

実際にこの僕自身は、ムシメさんの存在を当時うつ病を患っていた大学生時代に知ったのだが、当時、彼はもう既に亡き人物であったとは言え、彼からは多くの共感などを得て救われた事もあった。

 

今まで、ふとした事で辛い気持ちになった度に、ムシメさんの事を考えて彼に対する共感を得た事で安心した事は何度あった事か。

彼のブログ記事やそこにも連載していた四コマ漫画ワープア漫画道)を読んで、そこに感情移入した事は何度あった事か。

 

思い出すだけでもキリがない。

 

今では、昔とは違ってムシメさんの事を考えてしまうのはほとんど無くなってしまったが、それでもムシメさんの存在は僕にとって人生に大きな影響を与えた程のかけがえのない存在である事に違いはないのだ。

生きづらさが公に発信しやすくなった今の時代だからこそ、ムシメさんの存在は今後の世の中の在り方を変える上でのヒントでもあると僕は思っている。

これ以上、生前の彼と彼の家族と同じような辛い境遇にある人達を生み出さない為、そして今そうした境遇にある人達を少しずつでも減らしていく為にも。

 

何より、かつてこの国に「氏ムシメ」という名の一人の弱者が存在していた事と、今日もこの国には生前の彼と同じような生きづらさを抱えながら生きている人々や、同じような境遇にある人々が大勢存在しているという事を決して忘れてはならない。

 

何と言っても、彼が生前抱えていた数々の問題は、今でもこの国の社会問題であるからだ。

 

これからの10年間は一体どのような時代になるかは、まだ誰にも分らない。けれども僕は、今までの10年間よりも、より良い時代になる事をやはり願いたい。

何と言っても、過去はその為にもある物なのだから。

 

 

 

 

 

最後に、改めて合掌…。